「新星爆発」瞬間捉えた!
理研などがISSのX線観測装置
理化学研究所と宇宙航空研究開発機構は14日、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に搭載された全天X線監視装置(MAXI)で、重い白色矮星(わいせい)が爆発する「新星爆発」直後に発する明るいX線を初めて捉えたと発表した。
新星爆発は、太陽ほどの重さの恒星が年老いて白色矮星になった後、すぐ近くの恒星(連星)のガスを吸い取り、核融合反応を起こして表面が爆発する現象。爆発後、数日から数百日間は可視光で明るくなるため観測できる。太陽の8倍以上の恒星などが起こす超新星爆発とは異なる。
MAXIは2011年11月、地球から約22万光年離れた小マゼラン星雲付近で、突然明るいX線を出して輝く天体を発見。X線の放射は約1時間でほぼ元の状態に戻ったが、通常の新星爆発や超新星爆発のような可視光の増加は見られなかった。
理研MAXIチームの森井幹雄研究員らが分析したところ、通常より重い白色矮星が強い重力で連星のガスを集め、爆発直後に放出されたX線を観測した可能性が高いと判明。こうしたX線の放出は理論上は予想されていたが、実際に観測できたのは初めてという。