はやる心を芭蕉の句で披露


ケネディ新駐日米大使、あす着任

12日、米ワシントンの駐米日本大使公邸でお茶のもてなしを受けるキャロライン・ケネディ新駐日米大使(右から2人目)と夫のシュロスバーグ氏(右)。右から3人目は佐々江賢一郎駐米日本大使(代表撮影・時事)

12日、米ワシントンの駐米日本大使公邸でお茶のもてなしを受けるキャロライン・ケネディ新駐日米大使(右から2人目)と夫のシュロスバーグ氏(右)。右から3人目は佐々江賢一郎駐米日本大使(代表撮影・時事)

 「道祖神(どうそじん)の招きにあひて、取るもの手につかず」。キャロライン・ケネディ新駐日米大使は12日、ワシントンの駐米日本大使公邸で開かれた祝賀式典で、江戸時代の俳人・松尾芭蕉の「奥の細道」の一節を引用し、日本赴任にはやる心境を披露した。

 この一節は「旅に出たくて何も手に付かない」との意味。日本文学者ドナルド・キーンさんの英訳をすらすらと口にしたケネディ氏は「私も日本に引き寄せられている。日本で職責を果たす日が待ちきれない」とあいさつ。最後は日本語で「日本でお会いしましょう」と結んだ。

 詩に関する著作があるケネディ氏は「詩の親善大使」と呼ばれるほどの愛好家。ケネディ家は母ジャクリーンの影響で詩を家族で朗読する習慣があったという。

 ケネディ氏は式典に先立ち公邸内の茶室で開かれた茶会にも出席。茶道・裏千家の師匠がたてた茶を作法にのっとって受け、日本文化に通じていることをアピールした。(ワシントン時事)