宮崎秀吉さん、マスターズ陸上で「世界記録」
京都市に住む105歳、男子100メートルと砲丸投げで
京都市に住む105歳の宮崎秀吉さんが23日、主に中高年の選手が競うマスターズ陸上競技の男子100メートルと砲丸投げで「世界記録」を樹立した。22日に誕生日を迎えた宮崎さんは、同市内の西京極総合運動公園補助競技場で行われた京都マスターズ秋季記録会に出場し、100メートルで42秒22、砲丸投げは3メートル25をマーク。両種目とも5歳刻みによる年齢区分の「105~109歳」では、世界で初めて記録を刻んだ。
100メートルでゴールすると、五輪金メダリストのウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)をまねたポーズを披露。それでも「35秒が目標だったから、悔しくて涙が出た」と言う。「100~104歳」の世界記録(29秒83)保持者にとっては不満のようで、「あと2、3年は練習しないとね」と現役続行を宣言。元気の秘訣(ひけつ)を聞かれ、「根性やね。ワハハ」と笑った。
1910(明治43)年、静岡県熊切村(現浜松市)生まれ。スポーツには縁がなく、農協職員として堅実な人生を過ごした。約30年前から長女(74)の元で暮らし、同世代の知人と囲碁を楽しむなどしていたが、仲間の多くが他界。その頃、伝説的な名選手、故南部忠平さんの妻で、大阪府在住の久子さんが高齢で砲丸投げをしているという新聞記事を三女(70)に見せられたことをきっかけに、92歳で陸上を始めた。