「立佞武多」の山車がカーニバルへ!
ブラジル・サンパウロで、震災復興支援「恩返し」
「東日本大震災の支援に恩返しを」。ブラジル最大都市サンパウロで4日、青森県五所川原市の夏祭りで知られる「立佞武多(たちねぷた)」の山車の組み立てが始まった。13日に始まる謝肉祭「カーニバル」に外国の山車として初めて出場する。サンバの本場での晴れ舞台には、サッカー元日本代表監督のジーコ氏も参加し花を添える。
日本とブラジルが外交120周年を迎える2015年、有力サンバチーム「アギア・ジ・オウロ」が選んだテーマは「日伯の融合」。目玉の山車として、五所川原市の風物詩「立佞武多」に白羽の矢を立てた。
震災ではブラジルから重機や生活物資の支援があったことを受け、五所川原市は「感謝の気持ちを示したい」と全面的な協力を約束。復興を祈願して12年に作製した山車「鹿嶋大明神と地震鯰(ナマズ)」の提供を決めた。高さ15メートル、重さ5トンの巨大な山車には、大明神が地震の原因と伝えられるナマズを押さえ込む姿が力強く描かれている。
海外初披露となる大型山車の組み立てに向け、五所川原市からは大工や電気工事などの職人14人もサンパウロに到着した。サンバチームのブラジル人職人と協力し、4日間で山車を組み上げる予定だ。クレーン車などを使った大掛かりな作業になるが、とび職人の畑山誠司さん(55)は「どちらも祭りのプロ。言葉は違っても心は通じるはず」と意気込む。
14年まで2年連続で3位に終わったアギア・ジ・オウロにとって、カーニバルでの優勝は1976年の創設以来の悲願。山車の出来栄えは勝敗を大きく左右する。現場責任者を務めるクラウディオさん(44)は「地震や津波を乗り越えて復活した日本の力に期待したい」と話している。(サンパウロ時事)