首里城跡から琉球王朝時代の祭祀銭が出土
金銭12枚のうち3枚は「無孔銭」で、沖縄県内初
沖縄県教育委員会は13日、琉球王朝時代の15~16世紀に祭祀(さいし)で使われたとみられる金銭12枚が、世界遺産の首里城跡(那覇市)で出土したと発表した。うち3枚は中央に穴のない「無孔銭」で、県内初の出土という。
県立埋蔵文化財センターの発掘調査で、昨年9月に見つかった。12枚はいずれも金で鋳造されており、国の繁栄を願い祈りをささげる「御嶽(うたき)」と呼ばれる場所で、神が降臨する標識とされる巨岩「イビ」のくぼみから出土した。
祭祀用とみられる金銭はこれまで、県内4カ所で計25枚見つかっているが、「イビ」からの出土は初めて。
同センター調査班の新垣力主任は「首里城には御嶽が10カ所あったといわれるが、詳しいことは分かっていない。今回の発掘調査で、祭祀の様相の一端を解明する手掛かりになるのではないか」と話した。