錦織圭が粘って逆転、悲願へ込めた強い意志
4強で最終戦進出が確定、アジア選手初の快挙
追い込まれてからの粘りに、悲願への強い意志がこもった。ツアー最終戦進出を懸けた一戦。錦織はあとがない第2セット、タイブレークで0-4の劣勢から踏み込んで攻めた。最後は5点連取でピンチを打破。逆転で快挙を引き寄せた。
フェレールに何度拾われてもボレーでねじ伏せ、ベースラインから一歩前へ出て強力なフォアを左右へ打ち込んだ。「どうにかしてカムバックできると信じて強い気持ちでいけた。それがカギ」。瀬戸際でくじけなかった自分をほめた。
球足の遅い室内のハードコートで、しつこく根負けを誘ってくる試合巧者のフェレールに手を焼いた。ラリーを打開しようと仕掛けて打ち抜いたフォア、バックの強打が外れ、リズムに乗れなかった。3時間近くを要した消耗戦。劣勢から巻き返したタイブレークが、確かに流れを変えた。
ツアー最終戦は、年間を通して成績を残した8人だけが立てる特別な舞台。フェレールに敗れても他の選手の結果次第で進出の可能性は残っていたが、「自分の力で入れたのがうれしい」。けがとも戦いながら飛躍し、積み重ねてきた1年。この試合で決めたい。強い気持ちがあふれ出た価値ある1勝だった。(パリ時事)