神本雄也、ミス乗り越え底力、自信膨らむV


アジア大会で体操は神本、山本が金銀

神本雄也、ミス乗り越え底力、自信膨らむV

体操男子個人総合決勝で鉄棒の演技をする神本雄也=23日、韓国・仁川(時事)

神本雄也、ミス乗り越え底力、自信膨らむV

体操男子個人総合の金メダルを手にする神本雄也(右)と銀メダルの山本雅賢=23日、韓国・仁川(時事)

 最終演技者として臨んだ鉄棒で、着地を鮮やかに決め、神本は大きく息を吐いた。硬かった表情がようやく和らいだ。「代表に決まった時から、金メダルが目標だった。すごくうれしい」。首から下がったメダルを、満足そうに握りしめた。

 2種目目のあん馬。倒立技などが乱れ、得点が伸びない。一時は5位に後退し、「心配だった」というが、動揺を表には出さなかった。まずは、つり輪の14・900点で2位に浮上。そして、得意の平行棒で15・500点の高得点をたたき出し、トップに躍り出た。

 点差を考慮し、最後の鉄棒は高難度の手放し技「コールマン」を抜いた安全策でまとめ、山本とのワンツーフィニッシュ。男子個人総合の金メダルは日本勢40年ぶりで、金銀獲得は初めて。世界屈指のオールラウンダーをそろえる日本の底力を見せつけた。

 10月初旬に世界選手権があり、開催国の中国勢も2番手で臨んでいる。日本でもリオデジャネイロ五輪に出場するには、同年代の加藤凌平(順大)らとの争いに勝たなければならない。現在は少し差をつけられているが、日体大でも指導している畠田監督は「伸びしろはある」と大きな期待を寄せている。

 「僕も(代表争いの)勝負に絡んでいきたい」と神本。この金メダルで得た自信を、その原動力にするつもりだ。(時事)