ドイツ集大成V、ゲッツェ値千金ゴール


4度目の制覇、延長でアルゼンチンに1-0

ドイツ集大成V、ゲッツェ値千金ゴール

優勝トロフィーを掲げて喜ぶクローゼ(中央)らドイツイレブン=13日、リオデジャネイロ(時事)

ドイツ集大成V、ゲッツェ値千金ゴール

アルゼンチンとの決勝戦の延長後半、先制ゴールを決めるドイツのゲッツェ(左)=13日、リオデジャネイロ(時事)

 厚い壁をこじ開けたのは試合途中から入った2人だった。ともに無得点のまま、PK戦もちらついてきた延長後半8分。ドイツは左サイドをドリブル突破で切り崩したシュルレのクロスをゲッツェが巧みに決めた。強さが凝縮した1点だった。

 守りを固めたアルゼンチンを、ドイツは攻めあぐねていた。中盤で攻守の切り替え役を担うケディラが直前練習で負傷して欠場し、代わりに先発したクラマーも早々に負傷交代。中央のスペースを消され、磨き上げてきたパスサッカーは停滞し、ラームからの右クロスに頼りがちだった。

 後半終了間際に1トップのクローゼに代えてゲッツェを入れ、流れが変わった。ゲッツェは延長前半の早々に左サイドでシュルレに絶妙なパスを送って決定機をつくった。歓喜の得点シーンは力強い攻めから。粘るアルゼンチンに膝をつかせた。

 一つの戦い方を食い止められても、別の選択肢があった。選手層も厚く、ベンチにも豊富な駒が残っていた。今大会を通して途中出場で輝いたシュルレ、不振で途中から先発を外されたゲッツェが仕事を遂げた決勝はその集大成。レーウ監督は「チームが団結し、全員が全ての力を出し尽くした。類いまれな技術と強い意志を持って成し遂げた」と胸を張った。

 2006年のレーウ監督就任後、これまでのW杯、欧州選手権で全て4強以上に進みながら頂点は遠かった。準決勝は開催国ブラジルを7ゴールで粉砕し、頂上決戦で堅守のアルゼンチンをねじ伏せた。南米の両雄を退けてたどりついた栄冠が、誇らしい。(リオデジャネイロ時事)