タブレット端末を使った学習、家庭で広がり
子供向け通信教育サービスが増加
タブレット端末を使った子供向け通信教育サービスが、じわじわと広がっている。今春に本格参入したベネッセコーポレーションでは、小中高生を合わせた対象会員の4割に当たる91万人がタブレット端末で受講。自宅での学習は、「紙と鉛筆」からタブレットへと変わりつつある。
ベネッセは小学生向けの通信講座「進研ゼミ」で、専用タブレットを使ったコースを新設。紙で届けてきたこれまでの教材とほぼ同じ内容を、音声や動画を交えて毎月配信する仕組みだ。受講料は小学1年生で毎月払いの場合、紙の教材と同じ月3343円。半年間受講すればタブレット代は無料となる。
小学1年生の息子が受講しているという東京都内在住の女性は「『紙の教材』は途中でやめてしまったが、タブレットは分かりやすく楽しいようで、ほっておいても勝手に勉強している」と話す。
今年3月下旬にサービスが始まったディー・エヌ・エー(DeNA)の小学1年生向け「アプリゼミ」は、市販のタブレットを利用するため、月額約1000円と安い。
2012年に専用タブレットでの小学生向け「スマイルゼミ」をスタートさせたジャストシステムは、13年12月に中学生向けも開講。現在の会員数は明らかにしていないが、同社は「会員は増加しており、10万人が見えてきた」(経営企画室)と自信を示す。受講料は小学1年生で毎月払いの場合、月額3888円。
タブレット学習は、解答すると同時に自動で採点されるなど、双方向性が最大の特長。学習結果を親の携帯電話にメールで伝えるサービスなどもあるため、多忙で子供の勉強に関わる時間がない親からの支持が強い。ただ、「勉強はやはり紙と鉛筆」と考える親はまだ多く、全面的にタブレットに移行するには時間がかかりそうだ。