「ナイトメア・アリー」、ショービジネスの悪夢


尽きない野望の先に待ち受けていた闇、全国にて公開中

「ナイトメア・アリー」、ショービジネスの悪夢

果てない野心を抱き続ける興行師スタントン(ブラッドリー・クーパー、右)と心理学博士リリス(ケイト・ブランシェット)©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 時は1939年、流れ者の青年スタンことスタントン・カーライル(ブラッドリー・クーパー)は、人間か獣か正体不明な生き物“獣人(ギーク)ショー”を出し物にする怪しげなカーニバルのテントに潜り込む。衝撃的なショーを見届けたスタンは、カーニバルのマネジャー、クレム(ウィレム・デフォー)から仕事をやろうと声を掛けられる。

 一座の読心術師のジーナ(トニ・コレット)に気に入られたスタンは彼女のショーを手伝うことになる。スタンは彼女のパートナーであるピート(デヴィッド・ストラザーン)から、読心術のトリックを学び、技を身に付ける。

 全身に電気を流すショーで人気を呼ぶモリー(ルーニー・マーラ)の美しさに心を奪われたスタンは、ショービジネスでの成功を夢見て、彼女と一座を旅立つことに。

 野心溢(あふ)れるスタンは、2年後、人を惹(ひ)きつける才能と天性のカリスマ性を武器に、一流ホテルのステージで活躍するトップの興行師(ショーマン)にまで上り詰める。

 しかし、名声が高まる中でも、スタンはさらなる野心を持っていた。ある夜のショーで心理学博士のリリス・リッター(ケイト・ブランシェット)と出会う。スタンは彼女に協力を依頼し、大富豪から大金を手に入れるという計画を立てるが、尽きない野望のその先には想像もつかない闇が待ち受けていた。

 原作は、「人間の条件とは何かと問い掛け、不気味で心を激しくかき乱す傑作」と評論家から讃(たた)えられる、「ナイトメア・アリー 悪夢小路」(ウィリアム・リンゼイ・グレシャム作)。監督は「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞4冠に輝くギレルモ・デルトロ。3月25日よりTOHOシネマズ日比谷ほか、全国にて公開。

(竹澤安李紗)