松村康平、東京マラソンで日本勢最高の8位
秘めた自信を走りで証明、強気に7分台あと少し
30キロ付近でアフリカ勢がスパート。松村は離されたが、一呼吸置くと「思いのほか体が動き、リズムが出てきた」。前を行く黒崎を捕らえ、ロンドン五輪銀メダルのキルイも抜いた。自己ベストを大きく塗り替える2時間8分9秒で日本選手最高の8位に食い込み、「目標の8分台を達成できた」と充実感に浸った。
マラソン3度目の27歳。2年前の別府大分で2時間11分18秒、昨年のびわ湖毎日では2時間10分12秒とタイムを縮めたが、目立たなかった。今大会2日前の出場選手記者会見でもロンドン五輪代表の藤原や初マラソンの宮脇が注目され、「悔しかった」と打ち明ける。
しかし、40キロ走を8本こなすなど豊富な練習を積み、「調子が上がってきた。上り下りのあるコースでもタイムが出た」と言うように、自信は秘めていた。
ペースメーカーはゴールタイムに換算すると日本記録を大きくしのぐ2時間5分台の高速ペースでレースをつくった。これに気後れせず「(気持ちが)引いてしまったら2時間10分のレースになる。ついて行こうと思っていた」。強気に走り殻を破った。
ケニアのチュンバ2時間5分42秒、満足の好記録
男子はケニアのチュンバが2時間5分42秒の好タイムで制し、大会記録を1分以上も塗り替えた。「十分に練習してきた。スタートした時に『いけるかも』と思った」。自己記録も4秒更新し、満足の表情を見せた。
「35キロで仕掛けようと思っていた」と振り返るように、ピッチを上げて集団から抜け出すとエチオピアのトラと一騎打ちに。さらにギアアップして40キロすぎに独走態勢に入り、勝負を決めた。