STAP幹細胞「誰も信じず」、証明に5年
化学者から転身、小保方晴子さん
iPS細胞のように、さまざまな細胞になる力を持つ「STAP幹細胞」を開発した理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子研究ユニットリーダー。記者会見では「四六時中、研究について考えていた。確信した時は夢のようだった」と笑顔を見せた。細胞に外側から刺激を与えると万能細胞ができることに気付いた後、立証までに5年。「最初は誰も信じてくれなかった」と振り返った。
小保方さんは30歳。大学では化学工学が専門だったが、「人の役に立つ技術を作りたい」と大学院から再生医療の研究を始めた。2008年に留学先の米ハーバード大で今回の研究の端緒を得たが、証明は苦労の連続だった。「何度もやめようと思った。あと1日だけ頑張ろうと続けていたら、5年たっていた」
共同研究者で、世界初のクローンマウスを作った若山照彦・元理研チームリーダー(現山梨大教授)も、当初は半信半疑だった。STAP幹細胞が全身の細胞に変わったマウスが最初に誕生した時は「あり得ないことが起きた」と驚いたという。