日米韓離間工作に騙されるな 世日クラブで高永喆氏が講演

日米、米韓同盟が東アジア平和の柱

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講演する高永喆拓殖大学客員研究員(元韓国国防省北韓分析官)=19日、都内で

 世界日報の愛読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)は19日夕、都内で第156回定期講演会を開き、高永喆拓殖大学客員研究員が「どう動く北朝鮮―日米韓中の思惑」をテーマに講演した。

 高氏は、日米、米韓の両同盟が東アジアの平和を守る2本柱だと述べ、「中国であれ、北朝鮮であれ、日米韓離間工作に絶対騙(だま)されてはならない」と強調した。

 高氏は「中国や韓国が慰安婦問題とか反日・反米感情を煽(あお)るのは北朝鮮の路線と全く同じ」であり、「韓国で今、いろいろ反日、慰安婦問題を問題化するのは北朝鮮の高等な心理工作の一環」だと指摘。

 高氏はまた、北朝鮮が目指す強盛大国の3本柱のうち「思想大国は洗脳教育で、軍事大国は核開発で実現したが、問題は経済大国」だと指摘し、北朝鮮が今後、対日国交正常化による経済支援を活用して経済発展を成し遂げた韓国の朴正煕政権の「開発独裁」を目指すと展望した。

 ただ、日朝国交正常化の条件となる核開発については、老朽化した在来兵器の強化より経済的でもあり断念することはないと予測。これに対抗するため、韓国と日本はいざとなれば1週間で核兵器を製造できる「核武装臨界態勢」を整えるべきだと述べた。

 高氏はまた、日韓両国は政治や安保問題では米国と、経済分野では中国とパートナーとなる「政経分離」路線を取るべきだと述べた。

 講演に先立ち近藤会長があいさつし、「米軍占領下において憲法が制定されたが、サンフランシスコ平和条約が結ばれて日本が独立国となった。その時に日本が国民の手によって憲法を作るべきだったのではないか。終戦記念日を迎える夏になるといつもこんな思いに至る」と述べた。