両陛下、マニラで元留学生らと御懇談
一人一人と握手、笑い声も
【マニラ時事】フィリピンを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は28日午前、スペイン植民地当時の城塞(じょうさい)跡が残る首都マニラのサン・ディエゴ庭園で、日本で学んだ経験のあるフィリピン人元留学生や元研修生ら約50人と、およそ30分間にわたり和やかに懇談された。
両陛下は現地時間の午前10時20分ごろ、車で庭園に到着。元留学生ら一人一人と親しく握手を交わし、「日本の教育は役に立っていますか」「日本語は難しいでしょう」などと笑顔で言葉を掛けて回られた。留学当時にできた娘にミチコと名付けたと両陛下に伝えた男性もおり、懇談中は何度も笑い声が上がった。
1990年から6年間日本に留学していたリカルド・ラザロ・ジュニアさん(45)は、日本で学んだ知識や文化が日系企業での仕事に役立っていると天皇陛下に説明。「陛下と握手できるなんて、本当に夢のようで光栄です。日本の友達や家族に自慢したいと思います」と喜んでいた。
弁護士のキャリー・ビ・ハオさん(38)は「日本とフィリピンをつなぐ仕事なのでやりがいがあります」と両陛下に伝えたといい、「私は日本への留学で人生が変わりました。きょうの思い出は人生で一番の宝物です」と語った。