皇后陛下、81歳に 戦後70年「深く考えさせられた」
皇后陛下は20日、81歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、宮内記者会の質問に文書で御回答。戦後70年の「慰霊の旅」で天皇陛下とパラオを訪れたことなどに触れ、「死者は別れた後も長く共に生きる人々であることを、改めて深く考えさせられた1年でした」と振り返られた。
原爆投下直後の広島で電車を復旧させた女子学生の記事を、皇太子殿下御夫妻の長女愛子殿下(13)が自分と同様に気に留めていたことを知り、胸を打たれたというエピソードも紹介された。子や孫の世代が戦争や平和について真剣に考えようとしていることを「心強く思っています」とつづられた。
今月、豪雨被害を受けた茨城県常総市を訪れ、被害の大きさに驚いたといわれる。「農家の人々の落胆はいかばかりかと察しています」と思いやり、発生から4年余が過ぎた東日本大震災の被災者も案じられた。
一方で、日本人2人のノーベル賞受賞決定を「明るい、嬉しいニュース」と御表現。ラグビー・ワールドカップでの日本代表の活躍にも触れ、「4年後の日本で開かれる大会に、楽しく夢を馳せています」と期待を寄せられた。