両陛下、元日本兵2人と御面会
パラオ・ペリリュー島生還者
天皇、皇后両陛下は22日、戦没者慰霊のため4月8~9日にパラオを訪問するのを前に、日米両軍の激戦地となったペリリュー島の戦いから生還した元日本兵2人と皇居・御所で面会された。
面会したのは、元陸軍軍曹の永井敬司さん(93)=茨城県茨城町=と元海軍上等兵の土田喜代一さん(95)=福岡県筑後市=。
2人によると、天皇陛下は「本当に長いことご苦労さまでした」と言葉を掛け、皇后陛下も「大変でしたね」とねぎらわれた。永井さんは「私どもは軍人ですから戦争で戦うことは仕方ない」と答えた。
土田さんは両陛下に合わせてペリリュー島を訪れる予定で、「そのときまで元気でいてください。来られることを祈っています」と両陛下に伝えたという。
面会後、永井さんは「英霊は本当に喜んで迎え、安らかにお休みになると思います」と話した。
宮内庁によると、天皇陛下は風邪で熱があるため冒頭のみで、その後は皇后陛下単独で懇談されたという。
1944年9月に始まったペリリュー島の戦いでは、米軍との戦闘で日本兵約1万人が死亡。同年11月に組織的戦闘が終わった後も、永井さんと土田さんら34人は洞窟内で生き延び、終戦後の47年4月、呼び掛けに応じて帰順した。