阪神大震災 「あの日」から20年、冥福祈る
天皇、皇后両陛下迎え追悼行事
1995年1月、死者6434人、負傷者4万3792人(兵庫県発表)を出した阪神大震災は、17日で20年の節目を迎え、県内ではさまざまな追悼行事が開催された。激しい揺れに数え切れないものを奪われた「あの日」を振り返り、記憶と教訓を次世代に伝え残すことを誓った。
地震発生時刻の午前5時46分には、神戸市中央区の東遊園地で開かれた「阪神淡路大震災1・17のつどい」で参加者が竹灯籠に火をともすなど、各地で犠牲者の冥福を祈った。
県など主催の「阪神・淡路大震災20年追悼式典」は、同区の県公館を主会場として開かれた。天皇、皇后両陛下が出席されたほか、山谷えり子防災担当相、震災当時の首相だった村山富市氏、井戸敏三知事ら約500人が参列し、震災の前年に生まれた新成人が「追悼の灯(あか)り」を点灯。正午に1分間の黙とうをささげ、献花した。
山谷防災相は「近年、災害が大規模になり頻発する中で、この震災の経験と教訓をしっかりと継承し、安心して暮らせる社会の実現に全力を挙げる」と追悼の辞を述べた。井戸知事は「私たちは新たなステージを迎えている。震災を乗り越えてきた力を再結集し、新時代の兵庫を築いていかねばならない」と決意を新たにした。
県民代表の一人としてことばを述べた高校3年の吉岡麻衣さんは、県立舞子高校にある全国唯一の防災の専門科で学ぶ。「20年たった今でも心の傷は消えないのだと知った。あの日を忘れないでほしいという強い思いを受け止め、震災を知らない世代に伝え続けていく」と誓った。
式典には村井嘉浩宮城県知事ら東日本大震災の関係者も参加。映像は、神戸市内の「人と防災未来センター」慰霊モニュメント前に中継された。17日は防災啓発イベントやコンサートなど、追悼行事が深夜まで続く。