今井さんの参院選出馬に衝撃


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 夏の参院選で、歌手グループ「SPEED」のメンバーで沖縄県出身の今井絵理子氏(32)が自民党の比例候補で立候補することがこのほど決まった。地元では大きな衝撃が走っている。

 今井氏は、1996年にデビューし一世風靡(ふうび)した元アイドルグループの中心的存在だった。大ヒットした当時、今井さんは小学校6年生。それが今は子育て中の母親。SPEEDの存在を「知らない」または「よく知らない」という中高生は多いから、時代の流れは実に早いと感じる。

 参院選では初めて18歳以上に選挙権が与えられる。どれだけの若者の投票行動に影響するかは未知数だが、中高年のSPEEDファンも多いのも確かだ。

 離婚をしてシングルマザーとして子育て中の今井さん。2008年には息子(当時4歳)が聴覚障害を持っていることを明らかにし、話題になった。

 出馬会見では「お母さんたち、障害を持っている子供たちが、より明るい希望を持てる社会づくりをしたいなと思いました」と意気込みを語った。

 また、以前、安保法制についてツイッターで「どこかプチ戦争には賛成!みたいに見える」とつぶやいたことについて尋ねられると、「平和を願うだけでは守れないというのも現実です。一昨日、北朝鮮のミサイルが飛んで、沖縄の上空を通過した時に緊張が高まりました。万が一のための備えは必要だと思います」としっかりと受け答えした。

 自民党県連は「今井氏の擁立は党本部が主導して決定したことで、聞いていなかった」と驚きを隠せない。沖縄では自公連立が基本で、「選挙区は自民、比例は公明」のセット戦術を取ってきている。公明の心中は穏やかではないはずだ。(T)