抗議活動の動画流出で波紋


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 沖縄の革新労組・政治団体を束ねる沖縄平和センターの山城博治議長ら2人が2月、普天間飛行場(宜野湾市)の移設作業の準備作業が行われている名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で抗議活動をする際に逮捕された。地元二大紙は「不当逮捕」と大きな見出しを付けて逮捕劇を紹介。

 真相を知りたいという県民らの声に応える形で山城氏の逮捕時の映像がインターネットの動画サイトで公開された。

 これを見ると、山城氏らが堂々と境界線をまたぎ、米兵や憲兵隊に挑発しているのがはっきり分かる。山城氏が憲兵隊に拘束されると、約20人の活動家も境界線を越えて抗議活動をしているではないか。

 そこには境界線を越えて撮影している2紙のカメラマンの姿も映し出されていた。山城氏逮捕劇の一部始終を目撃しているにもかかわらず、二大紙は「不当拘束」という論調を貫いている。

 それだけで終わらない。不法侵入という事実を棚上げした上で、「米軍から動画流出」と論点をすり替えることで反撃。動画を流出したとされる在沖米海兵隊外交政策部のロバート・エルドリッジ次長に批判の矛先を向けた。その結果、エルドリッジ氏には最低でも自宅謹慎という処分が下された。だが、地元メディアが言うように解雇処分はまだ確定していない。米軍筋が明らかにした。

 テキサス親父として知られる親日家の米国人トニー・マラーノ氏の事務局がこのほど、「エルドリッジ博士の更迭を撤回してください」というオバマ大統領宛ての署名活動をインターネット上で始め、わずか3日間で3万筆もの署名が集まった。この訴えは海兵隊に届いたのであろうか。(T)