この夏、福島県の磐梯吾妻スカイラインを…
この夏、福島県の磐梯吾妻スカイラインをドライブして浄土平に立ち寄ったら、レストハウスの売店に初めて目にする野菜があった。「行者菜」と名付けられていた。ギョウジャニンニクとニラを掛け合わせた野菜だ。
見た目はニラだが、ギョウジャニンニク特有の香りがする。ギョウジャニンニクは成長が遅く、収穫まで5年かかる。しかも収穫期は2週間。行者菜はこの短所を補って手軽に収穫できるようにと開発された。
開発したのは宇都宮大学農学部のグループで、今では山形県長井市を中心に1道6県で栽培されている。定植して2年目以降1シーズンに2~3回収穫ができるという。一方、天然のギョウジャニンニクは激減している。
これはユリ科ネギ属の多年草で、東北地方より南では高山でしか見られない。東北地方では栽培して調理したものが土産物として売られている。人気があるようだ。これと芽生えの似ているのがイヌサフラン。
コルヒチンという猛毒を含んでいるのだが、栽培種は一般家庭の庭でもよく見られる。先日、静岡県の御殿場で、70代の男性がこれをギョウジャニンニクと間違えて食べ、中毒死したそうだ。
男性は4日の夜、栽培していたイヌサフランに他の野菜を混ぜ、煮物にして食べた後、吐き気や胃痛を訴え、9日朝に亡くなった。過去、同様の事例がいくつもある。菜園と観賞用花壇はいっしょにしないことが肝心だ。